Copyright © ウチダ ケイスケ

大木と向き合っています。

February 24, 2017

いま抱えている案件で、築50年近くが経ったマンション外構(植栽)の手入れがある。

この現場に限ったことではないのだけど、どの案件にも必ず共通する問題点を見ることが出来る。

木々たちが植栽されている位置だ。

建物に近すぎたり、壁に近すぎたり、木々たちの間隔が狭かったり、隣の敷地にはみ出たり。

そして何より、育ち過ぎて大木になっていて、どうしようもなくなっている。

おそらくなんだけど、当時の造園屋さんたちは、何十年か後の育った木々の姿というのをイメージせず植えたのだと思う。

 

なんでそんな事が起こるんだろう?

自分なら、絶対こういったプランはつくらない、と思えるのはやっぱり「ランドスケープ」という分野にいたかもしれない。

「ランドスケープ」って言葉は、直訳すると「風景」なんだけど、その「風景」を創り出すのには実に細かいリサーチが必要なんだよね。

日光や風の入り方、地勢や地形などの特性、そこに自生する植物の特性、生活文化、歴史、眺め…など様々な視点から解析する。

その家の外についても、中についても。

そしてその視点の中に、当然「将来こうなるだろう」という予測も加味される。

ゆえに、「そこにしかない風景」がつくられる。

なので「ランドスケープ」は、単に「“造園”という言葉を横文字にしたもの」ではないんだよね。

どこにでもはめ込めるような、「ガーデン・造園」の分野とはやっぱりちょっと違うと思う。

(まあ、どっちが良い悪いとかではなく、あくまで好みの問題なんだけど。)

 

おそらくこのマンションの外構を計画した人は、見栄え的な風景(=造園)を意識したんだろうけど、「そこにしかない風景」まで意識が届かなかったかもしれない。

何十年後に、このマンションはどういった使われ方をしているのか、どんな層が住居者としているのだろうか、どんな利用がなされるであろうか、そのための外構はどうあるべきか。

 

実はこういった問題って、山林にも同じことが起きてるんだよね。

どういった世代に、どのように使ってもらいたいのか。

イメージできないから、みんな放置しちゃう。

そして大きく育った木々だけが残り、山と人で良好に維持されてきたサイクルが滞り、土砂災害や倒木の恐れが出てくる。

だから今の時代は、植えることも間違いではないんだけど、「切る(伐採する)」「活用する」も大事な視点なんだよね。

次の事故に繋げないためには。

 

だから最近の庭や緑地の手入れに入る時、積極的に大木を「切る」ことも選択肢に入れてる。

大木を「守る」だけでは、何も将来的に生み出さないケースが多いからね。

 

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